両親が亡くなったり、老人ホームに転居して空き家となった実家をそのまま放置しておくと、さまざまなリスクが発生します。これらのリスクは、時間が経つほど増大し、結果的に大きな損失を招くことも少なくありません。以下に、空き家を放置することで発生する具体的なリスクをご紹介します。
(リスク)親が意思能力を失うと、不動産の売却契約を締結することができません。意思表示ができない場合、契約そのものが無効とされます。
(具体例)
<1>親が認知症を発症し、家の売却に同意できなくなる。
<2>家族が売却を進めたいと思っても、所有者本人の署名が取れず手続きが止まる。
2. 不動産価値の下落
(リスク)
・空き家の状態が続くと、建物や土地の価値が時間の経過とともに低下します。特に、老朽化が進むと解体費用が発生し、土地としての価値にも影響します。
(具体例)
<1>建物の劣化(雨漏り、シロアリ被害、壁のひび割れなど)が進み、資産価値が大幅に下がる。
<2>地域の市場動向により、不動産価格が下落するタイミングを逃す。
3. 維持費や管理費の負担増
(リスク)
空き家であっても、固定資産税や都市計画税は発生し続けます。また、建物の維持管理費や庭の手入れ、清掃費用も必要です。
(具体例)
<1>毎年の固定資産税が数十万円単位でかかる。
<2>遠方に住んでいる場合、管理会社に依頼するための費用が追加で発生する。
4. 空き家特有の法的リスク
(リスク)
空き家が「管理不全」と判断されると、自治体か「特定空き家」に指定される可能性があります。
特定空き家に指定されると、固定資産税の軽減措置がなくなり、税金が最大で6倍に増加します。
(具体例)
<1>放置された空き家が近隣住民に迷惑をかけることで行政指導を受ける。
<2>建物の倒壊や危険箇所が原因で近隣トラブルが発生する。
5. 空き家の管理不足による災害リスク
(リスク)
空き家は管理されないと災害や事故のリスクが高まります。火災や台風、地震による被害が発生した場合、放置したままでは適切な補償を受けられない可能性があります。
(具体例)
<1>電気配線の劣化や放火などで火災が発生。
<2>雨漏りや倒壊で、近隣住民に損害を与えた場合に賠償責任が発生。
5. 不法侵入や犯罪の温床
(リスク)
空き家は人の気配がなくなるため、不法侵入や放火、ゴミの不法投棄などの犯罪が発生しやすくなります。
(具体例)
<1>放置された空き家に不審者が侵入し、近隣住民から苦情が来る。
<2>ゴミの不法投棄が繰り返され、撤去費用がかさむ。
6. 家族間でのトラブル発生
(リスク)
相続人が複数いる場合、空き家をどうするかで意見が分かれ、家族間のトラブルに発展することがあります。
(具体例)
<1>売却を希望する相続人と、所有を希望する相続人で対立。
<2>売却タイミングの遅れにより、誰も管理をしないまま負担だけが増える。
7. 不動産市場の変化による売却機会の損失
(リスク)
不動産市場の需要と供給は変動します。需要が高い時期を逃すと、売却価格が下がる可能性があります。
(具体例)
<1>地域の開発が進む前に売却を逃し、価格が上がらないまま買い手がつかない。
<2>地域の人口減少により、不動産需要そのものが減少する。
空き家になった、なりそうな実家に対する対策
空き家は放置することでさまざまなリスクを生むため、早期に行動を起こすことが重要です。
1. 売却による現金化
空き家を早期に売却し、現金化することで資産の価値を保ち、維持費や管理費の負担を解消します。
<1>不動産市場のタイミングを見計らい、適正価格で売却を進める。
<2>遠方の場合は不動産業者に依頼して手続きを簡略化する。
2. 賃貸や活用の検討
空き家を賃貸物件として貸し出したり、シェアハウスや民泊として活用することで収益化する。
<1>不動産管理会社や賃貸運営会社に相談し、適切な管理プランを立てる。
<2>賃貸に向けた修繕やリフォームのコストを考慮する。
3. 維持管理を徹底する
売却や活用の準備が整うまでの間、定期的に清掃や修繕を行い、空き家の状態を良好に保つ。
<1>自分で管理が難しい場合は管理会社に委託する。
<2>特に庭や外観を整えて、近隣トラブルや行政指導を防ぐ。
4. 任意後見制度、信託の活用
親が意思能力を失った場合でも、不動産の管理や売却をスムーズに進められるようにする。
<1>任意後見制度を活用して、任意後見人が手続きができるようにしておく
<2>家族信託を利用し、信頼できる家族に管理や売却の権限を託す。
5. 家族会議を開き方向性を決める
空き家の扱いについて家族全員で話し合い、売却、賃貸、または維持管理の方針を明確にする。
<1>親が意思能力を持っている場合は、その意向を確認しておく。
<2>前に不動産価値の査定結果や管理費用の見積もりを用意し、具体的な話し合いができるようにする。
6. 行政支援や補助金の活用
地域によっては空き家対策の補助金や税制優遇制度があるため、これらを活用して負担を軽減する。
<1>市区町村役場や不動産業者に相談し、利用可能な制度を確認する。
<2>補助金を利用して修繕費用や解体費用を賄う。
空き家になった実家を放置すると、不動産価値の下落、維持費負担、トラブル発生など、多くのリスクを招きます。以下のいずれかの方法で早期に対処することが重要です:
1. 売却による早期現金化
2. 賃貸活用や管理会社の利用
3. 維持管理を徹底する
4. 任意後見制度、信託の活用
5.家族会議での方針決定
6. 行政支援や補助金の活用
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